ようこそゲストさん

Bookstack

2005/08/01(月) どーん

日常

江東花火大会

 数日前に大森望さんからお誘いを受けて、今日は花火大会へ。ここ数ヶ月、仕事も忙しく、休日含めてほとんど出かけることがなかったので、こういう機会は活用したい。

 例年通り花火を堪能した後は焼肉屋へ。

 西葛西に来るのは半年ぶりか。一年前はここに住んでいたのだなあ。

2005/07/29(金) 招かれた

日常

神楽坂の料亭

に行った。「このミス」大賞選考委員の慰労会。ありがたいことです。

なんか、慣れないからかえって緊張しちゃったよ。

川口浩探検シリーズ

 そんなところに行ったというのに、帰りはなぜかこんなDVDを手にしている私。杉江松恋さんからお借りした。

2005/07/27(水) 読みかけの本など

日常

[] 英国占領 / マリ・デイヴィス

ISBN:4576050990 ISBN:4576051008

もしもナチス・ドイツがイギリス侵攻に成功していたら……という設定のもとで、占領下のイギリスを舞台にした、レン・デイトンの『SS-GB』(上ISBN:4150404526 / 下ISBN:4150404534)みたいな話。この手の話では定番の、国防軍とSSの確執もうっすらと描かれ、いっぽうのレジスタンスも一枚岩ではなく(なにしろ貴族もいれば共産主義者もいる)、占領下で暮らすイギリス国民の姿勢もさまざま。そんなわけで対立関係はけっこう入り組んでいて、その複雑さがおもしろさを引き立てている。

オタバリの少年探偵たち / セシル・デイ・ルイス

ニコラス・ブレイクが本名で発表したジュブナイル。

爆撃で両親を失った子供が戦争ごっこに参加していて……なんて描写をさらりと書いているあたりに凄みを感じた。

[] 魔の都の二剣士 / フリッツ・ライバー

ISBN:4488625088

 しばらく前に『ランクマーの二剣士』が刊行され、ようやく定訳版が全部揃ったシリーズ。1巻目からゆっくり読んでいる。

 1~3巻は旧版で読んだので、再読になる。異世界ファンタジーにパルプマガジン的怪奇小説の味わいを加えたものとして印象に残っている(読んだときは中学生か高校生だから、パルプマガジン云々は後づけ)。ところで表紙のイラストは、旧版のほうが作品の色に似合っていたと思う。

2005/07/24(日) 読書会

日常

読書会

 そんなわけで行ってきた。

 最近は本に関する意見をやりとりするのはネット越し、ということが増えたけれど、やはり実際に集まって意見を交わすのは面白い。学生のころは毎週そういうことをしていたわけで(慶応大学推理小説同好会の数少ない定例行事が毎週の例会だった)、思えばたいへん密度の濃い日々を過ごしていたのだ。

(ところで当日お会いした方には「学生のころ以来」と言ってしまったけれど、考えてみれば探偵小説研究会+逆密室による『ミステリアス・ジャムセッション』読書会があったのでした)

2005/07/23(土) 地震と後宮

日常

新宿に行く予定だったのが

 地震でJRがストップ。で、家からはJRを乗り継がないと新宿にはたどり着けない。そんなわけで出かけるのは断念。

 まあ、無理に新宿に行っても、地震の後ならどうせ魔界都市になっているはずだから危険……と自分に言い聞かせる。

[] 後宮小説 / 酒見賢一

ISBN:4101281114

 mixiの某コミュニティで、この本の読書会を催すというので参加することにした。かくして再読。

腹上死であった、と記載されている。

というふざけた1行目が作品のあり方を物語っている。

比較的短いこともあって、ディテールについては物足りない部分も残る(例えば、宮廷内の権力闘争についてはかなり端折られている)。とはいえ、ぬけぬけと嘘をつく姿勢が楽しい。

この稿を書くにあたり、拠ることになる文献は「素乾書」「乾史」「素乾通鑑」の三種で、前二者は宮廷の史官によるいわゆる正史である。

なんてことを書いてみたり、欧州の学術調査団の一人が著したという『素乾城の思い出』なんていう本まででっち上げてしまうのだ。タマカ・ヒエロの『千の木の葉』みたいなものか。

 で、主人公たちのちょっとマヌケな(しかもある種えっちな)振る舞いを描いた後に、

ここで、筆者も馬鹿かと思わないこともない。この小説のもとだねとなっている歴史書の一つ「素乾書」を編纂した無名の史官に対してである。正史とは国家の歴史の正式な記録である。にも拘らず、このような痴戯の類まで馬鹿正直に記載しているのである。

とかマジメそうに書いているのだ。このへんの「マジメな顔でバカなことを書く」という姿勢が素晴らしい。

そんな史官の執筆態度に筆者も好意を覚えざるを得ない。

 俺も好意を覚えたぞ。

 この本の「虚構を築き上げる」姿勢はかなり徹底していて、断言はできないが見た範囲では「中国」「漢字」といった語句は一切使われていない(7/24追記:よく見たら「中華」ってのがあった。文庫版p.185)。また、17世紀に存在するはずのないフランス皇帝だのイタリア軍だのが出てくるあたり、作中でのヨーロッパはどんな歴史を歩んだのだろう、と小説の中に書かれていない「隙間」への想像を刺激してくれる。