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2006/01/20(金)

日常

種々の雑用に追われて

読みかけの本はほとんど読めず。

[]文明崩壊 / ジャレド・ダイアモンド

とかいいつつこんなの読んでるし。

冒頭、「これはエコロジーの本じゃありませんから!」と強調しているので、かえって不安になってしまった。エコロジーの本だったらどうしよう。

2006/01/19(木)

日常

[]魔術師の夜 / キャロル・オコンネル

序盤は本格ミステリ風。いろいろな素材がぐいぐいねじ込まれているせいか、読んでいて少し疲れた。老マジシャンの描写など、この先の盛り上がりを期待させて楽しいのだけれど。

[]血の誓い / デイヴィッド・マレル

フランスを旅行中の作家ピーターは、大戦中フランスで戦死した父の墓参のためにある陸軍基地を訪れる。だが、そこには父の墓はなく、その記録もなかった……

昔読んだはずだが内容をあらかた忘れているのでもう一度読んでみる。

それにしてもマレルの不幸は、“映画「ランボー」の原作者”という言葉がついて回ることだと思う。

2006/01/18(水)

日常

[]30デイズ・ナイト / スティーヴ・ナイルズ、ベン・テンプルスミス

アメリカ最北の町を舞台にした吸血鬼もの……であるらしい。

ISBN:4896372085

[]迷宮の神 / コリン・ウィルソン

元サンリオ文庫の復刊。訳者・大瀧啓裕の“固有名詞の音は原語の音に可能な限り近づける”方針は本書にも適用されているようだ。

Dalzielを「ダルジール」と表記していたけれど、後になって実は「ディーエル」だと判明した……なんて例もあるので、考え方としては理解できる。

ただ、訳者あとがきをざっと見ると、著者名の「ウィルソン」を本当は「ウィルスン」としたかった……なんて書かれていて、私にはずいぶん細かいように思えた。

ISBN:4488013244

[]隣りのマフィア / トニーノ・ブナキスタ

以前ハヤカワ・ミステリ文庫から『夜を喰らう』が出たときは「トニーノ・ベナキスタ」という表記だったけれど、どちらが原音に近いのだろう(←少し大瀧啓裕に影響されている模様)。

ISBN:4167705052

[]魔術師の夜 / キャロル・オコンネル

キャシー・マロリーシリーズの最新作。読み始めたところ。

1: OK 『映画関係の仕事では「ブナキスタ」表記みたいなので、それに合わせたんですかね。http://www.allcinema.net/p...』 (2006/01/19 13:20)

2: 同書担当者の同僚 『担当者に「ブぢゃなくてベ」と伝えたところ、一時的に「ベ」で進行していて、最終的に「ブ」になっていたので訳者の意向が反映されている...』 (2006/01/19 17:40)

3: ふるやま 『なるほど、そういうことですか>OKさん&担当者の同僚さんそういえば私も、最初に「ルヘイン」を見たときは違和感がありました。』 (2006/01/20 8:23)

2006/01/17(火)

日常

[]チーム・バチスタの栄光 / 海堂尊

満足。これは大賞受賞がすんなり決まったのもうなずける。キャラクターの動かし方が実に巧みなのだ。詳細はtopicsを参照

[]屋根裏の遠い旅 / 那須正幹

「ズッコケ三人組」シリーズの作者による、「太平洋戦争に勝った日本」を舞台にした改変歴史物。

ISBN:4036522906

ミッドウェーで勝利を収めた日本は、その後アメリカと講和。戦後も「大東亜共栄圏」を維持している……が、その支配体制は揺らいでいた。中国や東南アジアでは反日紛争が続き、日本軍はベトナムへの原爆投下を検討する……という、レッドサン・ブラッククロス初期案のような暗黒世界である。

主人公は、たまたまこのパラレルワールドに迷い込んでしまった小学生。なので上記のような世界情勢は伝聞の形でおぼろげに伝えられるだけ。全体主義社会に放り込まれてしまった恐怖感と、そこで生きてゆこうとする意志を中心に描いている。

冒頭には憲法第九条が引用されているという、今では煙たがられそうなモノではあるが、改変歴史物に関心のある向きなら目を通してもよさそう。

今日のメモについて

もともとの問題提起についてはあまり関心はなかったけれど(同時期の『容疑者X』の隠された真相のほうが面白かった)、他の方々の意見は興味深く読んでいました。

2006/01/16(月)

日常

[]ビートルズ・ファンタジー / ラリー・カーワン

1962年、ビートルズはブレイクを目の前にして解散した。それから25年。かつてのメンバーでただ一人それなりに成功を収めたポールは、自分の原点だったビートルズを甦らせようとするが……という歴史改変もの。

ISBN:4594050778

南北に分断された日本を描いた佐藤大輔『征途』は、同時にハインラインやティプトリーJr.がSF作家にならなかった世界を描いた小説でもあるのだが、「この世界のSFはどうなってしまうんだろう」ということが気になった覚えがある。

ちなみに本書では、ビートルズが存在しなかったために、イギリスの歴史そのものが変わってしまっている模様。

[]獣の夢 / 中井拓志

大変満足。J.G.バラードの『殺す』あたりの先に踏み込んだ作品、と感じた。「空気読め」というときの「空気」にまつわる物語、とも言える。

猟奇犯罪を犯す側よりも、それを了解しやすい「物語」として受容する世間の側を描いてみせた作品。

[]チーム・バチスタの栄光 / 海堂尊

とある大学病院で、難度の高いバチスタ手術を30回近く成功させてきた外科チーム。ところが、三回の失敗が相次いで起きた。原因不明の術中死。病院長は、不定愁訴外来を受け持つ万年講師・田口に調査を命じた……という、病院を舞台にしたミステリ。

わずかな言葉でくっきりとキャラクターを浮かび上がらせて、大学病院内の人間関係をも描き出してしまう腕前は見事。院内リスクマネジメント委員会の委員長なんて、まだ登場すらしていないのに、その事なかれ主義の権化とも言うべき姿勢がすでに印象深い。