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2005/06/23(木) ロス・トーマスとか

日常

[] 女刑事の死 / ロス・トーマス

ISBN:4151756019

 解説を書かせていただいた本が届いていた。以前ミステリアス・プレス文庫として出ていた本の、ハヤカワ・ミステリ文庫での再刊である。

 実はこれ、ロス・トーマスとしては異色の作品なのですね。マジメなところが。他の作品だと、登場人物はみんな必要以上に肩の力が抜けてたりするのだけど。願わくば、こいつが異色作であることが明確になるくらいにロス・トーマス作品がたくさん復刊されますように。

 ちなみに帯は「九代目林家正蔵氏絶賛」。氏が熱心なミステリ好きであるという事実を知ったのは、たしかスチュアート・カミンスキーのリーバーマン刑事ものを読んだときだった。なにしろ「解説・林家こぶ平」である。そういえば朝日新聞の記事でも、「私のヒーロー」としてあげていたのがマット・スカダーだった。

1: 杉江松恋 『あれ?いつの間にかblog化している。九代目は、文章になると途端にへタレになって毒にも薬にもならないことばかり書くのが難点です。...』 (2005/06/23 15:22)

2: ふるやま 『あはは。無難、ってのはあるかもしれませんね。』 (2005/06/24 25:33)

2005/06/18(土) 「このミス大賞」折り返し

日常

[] アルレッキーノの柩 / 真瀬もと  (1)

早川書房の方が送ってくださった。ありがとうございました。

ISBN:4152086475

ヴィクトリア朝のロンドン。「十二人の道化クラブ」という怪しげな会員が集うクラブで起きる怪事件。密室殺人にダイイング・メッセージ、降霊会に稀覯本に殺人鬼の手記と、古典的な探偵小説の味わい満載の本格ミステリ。

……らしいのだが、まだ読み始めたところ。

2005/05/09(月)

日常

[] 獅子宮敏彦 / 砂楼に登りし者たち

ISBN:4488017134

また狂った本を読んでしまった。

戦国時代が舞台の連作短編で、特に第三話「大和幻争伝」の印象が鮮烈。

忍者や怪僧が奇怪な術を駆使し、人が無情にばたばた死んでゆく山田風太郎ばりの世界で、なぜか死体移動トリックなんぞが律儀に謎解きの対象になっているのだ。

人体の一部分の使い方などが無駄に素晴らしい。読みながら笑ってしまった。

2005/05/08(日)

日常

[] 鳥飼否宇 / 痙攣的 モンド氏の逆説

ISBN:4334924565

連休の間にこんなバカな本ばかり読んでいると、すっかりバカになってしまって明日からの社会復帰に差し支えそうだ。

美術評論家・寒蝉主水が遭遇する殺人事件とその解明を描く連作短編……という形をとっているものの、読んでいるうちに「なんだこれは?」と気になる記述が続出。で、四編目の「電子美学」で狂った展開を迎えた後、五編目の「人間解体」でとんでもないことになってしまう。

終盤の狂いっぷりは半端ではない。話の辻褄は合っているけどヘンである。『百番目の男』を『魔女が笑う夜』とするなら、これは『迷宮の暗殺者』。

実に楽しかった。なんですかあの凶器は。

2005/05/04(水)

日常

[] ジャック・カーリイ / 百番目の男

ISBN:4167661969

衝撃の真相が明かされた瞬間、あまりのことに笑ってしまった。カーター・ディクスンの『魔女が笑う夜』ISBN:4150704082 みたいな話。

こんなオチが存在しうるシチュエーションを作るために、作者が費やした努力はなみたいていのものではない。半ば呆れつつも畏敬の念を抱いた。

バカなオチをのぞけば、できはいいけどふつうのサイコ・スリラー。二作目ももうすぐアメリカで出版されるらしいが、作者が自分の長所を理解していることを祈るばかり。