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「隔離戦線」のページで豊崎由美さんが、『ベルカ、吠えないのか?』について、「犬の系図を載せて欲しかった」ということを書かれている。
私も欲しい。もっとも、単純に犬の系図が載ってるだけだと、最初に読むときには目の毒だ。きっと、未読のページに出てくる犬まで載っているから。
電子化されていて、現在読んでいるページのノンブルを入力すると、その範囲ですでに書かれているはずの情報だけまとめて出してくれる。そういうインタラクティヴな犬系図が欲しい、と思った。
文章がアレだというのを差し引いても面白く読むことができた。強大な敵に劣勢な軍隊で挑むという泣かせるシチュエーションのおかげだろう。多数の写真も、文章がアレなのを補っている(もっとも、フィンランドの地理なんてよく知らない上に、地図が少ないので戦況がわかりにくい)。
ナポレオンにしてもヒトラーにしても、ロシアに攻め込んだ外国の軍隊は"冬将軍"に痛い目にあわされている。そのロシアの兵士たちが、フィンランドの冬に苦戦するさまは興味深い(温暖な地方から集めてきた兵士も多かったようだ)。ここでの経験が、後のドイツ軍との戦いにも活かされたのだろうか。
楽しめる作品。紹介文はガジェットを前面に押し出していたけれど、どちらかというと主人公を初めとする人々の心情の動きが主体となるおはなしだ。
小道具の扱いは意外にあっさりしている。特に「十二人の道化クラブ」に集う人々はもっと奇人揃いで、あやしい会則ももっと前面に出てきてもよかったのではないかと思う。芦辺拓やマイケル・スレイドみたいな、呆れたガジェット偏愛を期待してしまったのだが、そういう趣旨の作品ではない。
ただ、登場人物の描き方もけっこうあっさりしているので、もっと執拗にねちねちと描いてくれてもよかったと思う。
1939年。ソ連は人口370万の小国フィンランドに侵攻。旧式な装備の小規模な軍隊しか持たないフィンランドはあっさり敗れるかに見えた。だが、彼らは抵抗を続け、次々とソ連軍を壊滅に追いやる。その善戦は「雪中の奇跡」として世界に報じられた……という、「冬戦争」の全貌をまとめた書物。
貧弱な軍隊で圧倒的な敵に挑むというシチュエーションが泣かせる。私にとっては、世界の中心で会いににいきます、とかそういうのよりも泣ける。
著者もフィンランド軍に感情移入するあまり、ときどき地の文でフィンランド軍のことを「我々」なんて書いていたりする。別に『裁くのは誰か?』みたいな趣向ではない(と思う)。著者はフィンランド人ではないので、『病める巨犬たちの夜』でもないはずだ。……というかですね、文章がとても下手なのが泣ける。
そんなわけで泣いてばかりです。おもしろいけど。
mixi経由で霜月蒼さんから。最近、あちこちで見かけるアレだ。 「○○な人へのn個の質問」みたいだなあ、と思いつつ……
24GB。
Sentenced "The Funeral Album"
フィンランド産ゴシック風メタルバンド、最後(嗚呼)のアルバム。
で、そのアルバムの中から"The end of the road"。もうおしまいですか……
最近よく聴くのはこんな感じか。なお、アルバム単位にした。
サイト名の由来はコレ。最初から最後までヤケクソ気味の轟音がとぎれることなく鳴り響く。かっこいい。
渋い。
骨太。ザック・ワイルドはだんだん歌い方がオジー・オズボーンに似てきているように思う。まあ、もともとオジー・オズボーンのところにいたわけだが、だからといって歌い方が似るのは不思議だ。
もともと荒涼とした雰囲気を醸し出すのが巧みだったけど、それが頂点に達したのがコレかな、と思う。
これまたゴシック風。Sentencedが荒野の激情なら、こちらは都会の憂鬱といったところか。
ふつうに回答しておいてなんですが、こういう「すべての人はつながっていて云々」みたいな空気を醸し出そうとするモノはあまり好きではないので、ここで止めちゃいます。あしからず。
解説を書かせていただいた本が届いていた。以前ミステリアス・プレス文庫として出ていた本の、ハヤカワ・ミステリ文庫での再刊である。
実はこれ、ロス・トーマスとしては異色の作品なのですね。マジメなところが。他の作品だと、登場人物はみんな必要以上に肩の力が抜けてたりするのだけど。願わくば、こいつが異色作であることが明確になるくらいにロス・トーマス作品がたくさん復刊されますように。
ちなみに帯は「九代目林家正蔵氏絶賛」。氏が熱心なミステリ好きであるという事実を知ったのは、たしかスチュアート・カミンスキーのリーバーマン刑事ものを読んだときだった。なにしろ「解説・林家こぶ平」である。そういえば朝日新聞の記事でも、「私のヒーロー」としてあげていたのがマット・スカダーだった。
これから読むもの・読み直すもの
Before...
● Julifcy [urenrjrjkvnm]
● Julitrd [urenrjrjkvnm]
● Vikioak [urenrjrjkvnm]
● Vikizzf [urenrjrjkvnm]
● Vikiuvm [urenrjrjkvnm]